AIが現場を変える/共生するAIロボット「Julie」が示す、新たな製造業の姿

「AI×製造業」というテーマは、高度で専門的な印象を持たれがちです。
一方で、現場でどのように活用され、人とどのような関係を築いていくのかは、まだ具体的なイメージを持ちにくい分野でもあります。
SAMURAI DX × AI にて行われた本講演では、そうしたイメージをやわらかく解きほぐしながら、AIと人が共に働く姿が紹介されました。
本講演に登壇したのは、デンソー研究開発センター クラウドサービス開発部
ビジネスイノベーション室長の 池田 光邦 です。

共生するAIロボット「Julie」との掛け合い
講演では、共生するAIロボット「Julie(ジュリー)」と池田が掛け合いを交えながら進行しました。AIを一方的に説明する形式ではなく、会話を通じて考え方や背景が伝えられる構成となっており、会場には終始、和やかな空気が流れていました。
このやり取りにより、AIが「操作される存在」ではなく、人の隣で共に考えるパートナーであることが、直感的に伝わる場面が多く見られました。
ロボットの進化と「人共生」という考え方

講演では、ロボットの進化の歴史についても紹介されました。
1950年代の、あらかじめ決められた動作を繰り返すロボットから、AI・IoT・生成AIの発展を経て、現在は人の能力を高める人共生ロボットへと進化しています。
単なる自動化や効率化にとどまらず、人の気づきや成長を支援する存在としてロボットを捉える視点は、今後の製造業を考えるうえで重要なテーマです。
Julieが体現する、新しい働き方
Julieは、AIとクラウド、生成エンジンを組み合わせた「Julie-Core」を基盤とし、さまざまな形で人を支援する存在として設計されています。講演を通して印象的だったのは、Julieが前面に出るのではなく、常に人が主役であることが一貫して示されていた点です。
人の判断や創造性を尊重しながら、その能力を拡張する存在として、AIが位置づけられていました。
製造業の未来、その先にあるもの
講演の終盤では、次のようなメッセージが語られました。
多くの人がAI×ロボットと共感し
新しく自分らしい価値を手に入れる
この言葉は、製造現場に限らず、働く人一人ひとりの未来を示唆するものです。
AIとロボットが人の可能性を広げ、より自分らしい価値創出につながっていく。
その方向性が、今回の講演を通じて具体的に示されました。
おわりに
本講演は、AI技術そのものを強調するのではなく、人とAIがどのような関係を築いていくかに焦点を当てた内容でした。共生するAIロボット「Julie」と池田の自然な掛け合いを通じて、人を中心に据えた製造業の新たな姿が伝えられた時間となりました。
今後もデンソーは、人の価値を高める技術とともに、社会や現場に寄り添ったイノベーションを追求していきます。



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