2025年、あいちロボフェス。その会場で行われた「Out of KidZania in あいちロボフェス」にて、ロボットモーションデザインをテーマにした仕事体験プログラムを実施しました。
ロボットは、正確に動けばそれでいいのか。
人と同じ空間で働くロボットに、本当に求められるものは何なのか。
その問いに、現場から向き合った記録です。

第1部 動きは、ロボットの性格になる
クラウドサービス部/福原が、本プログラムで最初に伝えたのは、ロボットの動きは単なる命令の集合ではなく、性格そのものだという考え方でした。
ロボットの動きは、
スピード(速度)
ライン(軌道)
ポーズ(姿勢)
リズム(間)
という四つの要素で捉えます。
速すぎる動きは不安を与え、直線的すぎる動きは冷たく見えます。
一方で、少し丸みのある軌道や、間を取った動きは、安心感ややさしさとして受け取られます。
ロボットは、動きによって印象が変わる存在であることを、子どもたちにも分かる言葉で伝えていきました。
ロボットモーションデザインの基準

ロボットモーションを設計する際は、性格の定義、パラメータ設計、検証という工程を踏みます。
効率や正確さだけでなく、人がどう感じるかという視点を評価軸に入れることが特徴です。
ロボットモーションデザインとは、人にどう伝わるか、相手がどう感じるかを考えながら、動きを設計していく仕事です。
伝わる動きにするためのリハーサル
実施に向けては、段階的なリハーサルを重ねました。メンバー内での確認、ロボットに詳しくない人への確認、そしてチーム内のお子さんを交えた確認です。
特に子ども目線での確認は重要でした。
説明が難しすぎないか。
動きが怖く見えないか。
直感的に楽しいと感じてもらえるか。
先端技能開発部/清水は、こうした現場での反応を一つひとつ受け止めながら、表現を少しずつ調整しました。
ロボットは、単に人の代わりに作業を行う存在ではありません。
人のそばに立ち、同じ空間を共有しながら、
そっと人を支える存在です。
そのとき問われるのは、何ができるかだけではなく、
どう見えるか、どう感じられるか、そして、どう受け取られるかです。Out of KidZaniaで共有されたのは、ロボットと人が対立する未来ではなく、
共に在ることを前提とした、静かな関係性でした。
その感覚を、これからの社会を生きていくこどもたちにも、ぜひ感じてほしいと思います。




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